昨日、JR石勝線のトンネル内で特急スーパーおおぞらが脱線し火災を起して緊急停止した。
車内に充満した煙で乗員乗客245人のうち39人が軽いケガで病院に搬送された。
6両編成の283系ディーゼルカーはその車体の骨組みを残して全焼した。
トンネル内での火災(車内に白煙が充満していた)ということで、乗務員や列車指令からの車外への避難指示が遅くなってしまったことに乗客から不満が殺到したという。
福島の原発での海水注入が中断されたかどうかについては、結局現場の判断で注入が続けられたという結末となったが、現在のJR各社の事故発生時の対応についても、今回の原発事故の東電と似たような仕組みになっているのではないかと思われる。
現場にいて状況を一番分かっているはずの車掌が、現場にいない本社の列車指令からの指示待ちの間何も出来ずに、車内に煙が充満している乗客に車外への避難を指示できないというのは本末転倒という他は無い。
緊急時には、近くを走るすべての列車を停止させる装置が稼動しているはずなので、トンネル内であっても、車掌が現場の安全確認が出来れば一旦車外への避難をさせ、順次トンネル外への誘導することも可能だったと思われるが、今のシステムでは、そのような現場の勝手な判断は出来ないようである。
列車の遅れや運休に伴う料金などの払い戻しや現場からの代替交通などの手配など手間も金もかかる事になるが、鉄道会社としてまず第一に乗客の安全確保が優先すべきである。
煙が充満している車内に留まるような指示を車掌がしていたとすれば、甚だ疑問である。
トンネル内への避難は二次災害の可能性はあるものの、とりあえず避難させるのが常識ではないだろうか。
状況に応じて、もっと現場の判断で避難や運行管理ができるよう改善してもらいたい物である。
過去にあった北陸トンネル火災では原因が別の物であったにもかかわらず、当時石炭レンジを使用していた食堂車がとばっちりを受けてその後石炭レンジを使用していた食堂車が全廃されてしまったという苦い思い出がよぎる。早急に原因を追究して二度と同じ事故を起さないよう肝に銘じてもらいたいと思う。