私のお気に入りカメラ第2弾は、中学生の時にお小遣いやお年玉を貯めて始めて買った一眼レフカメラ「FUJICA ST-605」です。若い方の中には、富士フィルムが35ミリ一眼レフを発売していたこと自体はじめて知った方もいらっしゃるかと思いますが、1970年代後半から1980年代にかけて色々なメーカーから一眼レフカメラが発売されていました。
ニコン、キャノンはもちろんのこと、ペンタックス、オリンパス、ペトリ、リコー、フジ、さくらカラーの小西六、ミランダなどなど、すでにオイルショック以後の不況にて倒産してしまった会社もありますが、各社が個性を競っていた良い時代でした。
なぜ私がフジのST-605を買ったかといえば、ずばり価格です。
それまで高級品だった一眼レフは普及が進むに連れて初心者向けの機種で低価格競争がはじまり、フジフィルムからは、一世代前の露出測光方式ではありましたが、絞込み平均測光の低価格機としてST-605を発売し、ちょっと暗いF2.2の標準レンズ付きで3万円台という破格の値段で初心者を中心に結構売れたようです。
その後は、リコーからペンタックスKマウント互換で開放測光のXR-500を「サンキュッパ(\39,800)」で発売するなど、各社から低価格機が発売されていきます。
本当は、ペンタックスのKシリーズか新発売された小型軽量のMシリーズやワインダー付きで連射可能だったキャノンAE-1が欲しかったのですが、本体だけで5万円近くしていたのでこのときはあきらめました。(高校生になりやっとペンタックスMXを購入)
今でも貯金したお金を握り締めて、電車を乗り継いで新宿西口ヨドバシカメラ本店まで買いに行ったのを覚えています。まだ、ポイントカードもなく店の周囲は飲み屋街で殺伐とした怖い印象がありました。
★FUJICA ST-605と中古品で買ったペトリ28ミリ広角レンズ

★ST-605のシャッターダイヤル。コスト削減のためかなんと最高速度は1/700と中途半端です。

★露出計用のバッテリー室はファインダーの隣にありました。

こうして、フジカST-605を手にした私は、当時通っていた中学校に写真部がなかったので、写真好きな先生を巻き込んで写真クラブを設立し、初代の部長となりました。
クラブ活動の一環として、学校行事や運動部の対校試合などがあると、このカメラを片手に写真を取りまくっていました。当然、当時は経費の問題もありほとんどの写真は100フィート缶から空のパトローネに移し変えて使っていたフジのネオパンSSというモノクロフィルムで、現像や引き伸ばしは、顧問の先生の指導の下理科実験室の暗室で行いました。
この頃は、自宅で現像している人も結構いた時代で、街の写真店に行くと現像液や定着液、印画紙などが販売されていました。
このST-605は完全なマニュアル機だったので、写真の基礎を徹底的に学ぶことが出来ました。
とても思い出に残る1台です。
写真のST-605は最近ネットで落札した物です。実は、高校生になってペンタックスMXを購入する際、資金調達のため、知人に売却してしまったのです。今思えば、仕方ないことですが、お金に余裕があればオリジナルを保管しておきたかったと後悔しています。













